鳥も人と同じように病気の早期発見、早期治療が大切です。
しかし、鳥は人のように言葉を話しません。そのため、少々の異常では気がつかず、気がついたときには症状が悪化していて治療が難しくなってしまうこともよくあります。また、飼い鳥の世界ではいまだに多くの感染症が蔓延しています。感染症はその鳥だけでなく、他の鳥の生命も脅かす非常に危険なものです。
当院では、鳥たちの健康を守るため、年に1~2回のバードドック受診をお勧めしています。バードドックの他に身体検査と糞便検査、そのう液検査のみの一般健康診断も各季節ごとに受けることをお勧めします。
バードドックを受けていただくには事前の予約が必要となります。予約時に下記の検査コースの中からご希望のコースをお伝えください。尚、混雑時はご希望の日時に予約が取れない場合がありますのでご了承ください。
コースの説明 | 身体検査 | 糞便検査※1 | そ嚢液検査 | レントゲン | 血液検査※2 | 遺伝子検査※3 | |
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Aコース | バードドックの最も標準的なコース 総合的に鳥の健康状態を把握することができます。全ての鳥にお勧めします。 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Bコース | 一般健康診断に加え、骨格や内臓機能の評価を行うコース 肥満や内臓機能の低下などが心配な鳥にお勧めします。 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ― |
Cコース | 一般健康診断に加え、画像による骨格や内臓の評価を行うコース 呼吸器や骨格に不安がある鳥にお勧めします。 |
○ | ○ | ○ | ○ | ― | ― |
Dコース | 一般健康診断に加え、感染症の検査を行うコース 幼若な鳥や新しくお迎えした鳥に強くお勧めします。 |
○ | ○ | ○ | ― | ― | ○ |
※1コザクラインコ、ヤエザクラインコでは、オプション検査としてショ浮遊法検査によるクリプトスポリジウムの検査を強くお勧めします。
※2体重20g以下の超小型鳥の場合、血液検査を含むコースは選択できません。猛禽類の場合は検査12時間以上前からの絶食が必要となります。
※3遺伝子検査にはインコ・オウム類の嘴羽毛病(PBFD)と鳥クラミジア症(オウム病)の検査が含まれます。
PBFDの検査は他の鳥と接触がない限り1回の検査で大丈夫です。インコ・オウム類以外の鳥類はPBFDの検査が不要となるため、バードドックの費用がPBFDの検査分値引きとなります。1度目の検査でPBFDが陰性で、PBFDの検査を受ける必要がないインコ・オウム類の場合は、バードドックの費用がPBFDの検査分値引きとなります。鳥クラミジア症は全ての鳥で定期的な検査をお勧めします。
糞便検査 | ショ糖浮遊法検査 | コザクラインコ、ヤエザクラインコに重度の胃炎を起こすクリプトスポリジウムの検査です。 |
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血液検査 | 総白血球数 | 血液中の白血球数の測定と顕微鏡による血液塗抹の観察で、炎症の存在や異常細胞の出現などを評価します。 |
総赤血球数 | 赤血球数の増加や貧血を評価します。 | |
遺伝子検査 | セキセイインコのヒナ病(BFD) | インコ・オウム類で致死的な感染症であるBFDを起こすトリポリオーマウイルスの検査です。 |
トリボルナウイルス病 | 腺胃の拡張や神経の異常を起こすトリボルナウイルスの検査です。 | |
ヘルペスウイルス病 | パチェコ氏病やオウムの内臓乳頭腫症などのヘルペスウイルス病を起こすヘルペスウイルスの検査です。 | |
マイコプラズマ病 | 呼吸器感染症を起こすマイコプラズマの検査です。 | |
鳥抗酸菌症 | 慢性的な下痢などを起こす抗酸菌の検査です。 | |
雌雄鑑別 | オスかメスかを鑑別します。 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
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○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ※ | ※ |
※土日および祝日は、原則バードドックを受け付けておりません。もし、土日および祝日の受診をご希望される場合は通常料金となります。
身体検査・糞便検査・そのう液検査・レントゲン検査・血液検査の結果は、当日中に結果が出ますので、検査終了次第ご説明いたします。(血液検査は結果が出るまでに1時間かかります。)
遺伝子検査は、結果が判明次第、検査結果報告書をご自宅へ郵送いたします。(遺伝子検査は結果が出るまでに通常3~4週間ほどかかります。)
当院で6カ月以内にバードドックAコースまたはDコースを受け、健康だと診断されており、現時点でも健康上の異常を認めない鳥はバードホテルの受け入れ対象となります。
詳しくはバードホテルのご案内をご覧ください。
鳥は病気を隠すことの多い動物です。日ごろから良く観察し、体調の変化を見逃さないようにしましょう。もし異常を見つけたときはすぐに動物病院に相談しましょう。
このページでは一般的な健康チェックのポイントを挙げましたので、参考にしてみてください。
鳥の健康管理の基本です。鳥は弱っていても食べているフリをすることがあるため、毎朝しっかり体重を測定して、変化がないことを確認しましょう。また、体重測定は発情時の体重増加や体腔内の腫瘤形成、腹水などの異常な体重増加の発見にもつながります。
食事量を測定することで食欲の確認ができます。普段の食事量は把握しておくと良いでしょう。特に、ペレットへのきり替え、一人餌の練習、フォージングなどのトレーニング、ダイエット、体調不良などの時には毎日食事量を測定しましょう。
鳥は糞便と尿を一緒に排泄します。ですので、水を飲む量が増えると排泄物は水っぽくなります。普段と比べて便が緩いまたは尿量が多い場合は、飲水量を測定し、動物病院に相談しましょう。
愛鳥がどのくらいの温度・湿度であれば快適なのかを把握するようにしましょう。
鳥は寒いと羽を膨らませます(膨羽)。暑いと体を細くして翼を広げたり、垂れ下げたり、口で息をしたりします。体調不良時は低体温になりやすいので、いつもと同じ温度で膨羽している場合はすぐに動物病院に相談しましょう。
鳥の排泄物は健康状態を評価する上で非常に多くの情報を含んでいます。毎日必ずチェックしましょう。
鳥は糞便と尿を一緒に排泄します。また、鳥の尿は固形の尿酸と液状の水分尿からなります。愛鳥の正常な排泄物を把握しておきましょう。
正常なセキセイインコの排泄物
正常なブンチョウの排泄物
ニワトリの盲腸便
家禽類や猛禽類など一部の鳥類は盲腸便と呼ばれる泥状で臭いの強い糞便をしますが、これは異常ではありません。鳥は羽毛に包まれているため、見た目だけでは体の変化に気づけないことも多いです。可能であれば愛鳥を触って異常がないか確認しましょう。腹部が大きく膨らんでいる、体表にできものがある、胸筋が減りやせているなどの変化を発見したらすぐに動物病院に相談しましょう。
寝てばかりいる、羽を膨らませている、足を挙げている、顔の羽毛が汚れている、羽毛の色や質が以前と違う、など異常な様子がないか毎日確認しましょう。
※詳しくは「こんな時は」参照。